危機管理業務部 主任研究員
 秋山 隆雄

 先日、某自治体の「防災リーダー」の育成支援事業に携わることができました。東日本大震災から、市町村では町会から選出された方々を対象に、防災リーダーを育成しているところが多くなっているように思います。
 今回ご支援した自治体では、年に数回の場を設定して防災リーダーを育成し、2年目には、さらにもう一段階レベルアップを図るという取り組みでした。

 1年目の研修では、講義において防災に関する仕組みや、過去の事例などの基礎的な事項を学び、ー屬い垢鮖箸辰銅分たちの街を歩いて、災害発生時にどのような危険が起こり得るか、要援護者を支援するには何が必要かなどをイメージアップし、防災意識の高揚を図りました。
 また、AEDの取り扱いや家具の転倒防止要領の実習を行い、これらの研修を受けた方々が、町会に帰ってその意識の普及の元になるものでした。
,泙訴發の様子
車いすを使った街歩きの様子

 2年目の研修は、あらためて、防災の基礎知識を深めながら、災害時要援護者対策の問題点や改善策の検討を行うなど、行政への意見をまとめるとともに、避難所の運営をゲーム形式で検討するものでした。
 特に、避難所の運営は、行政ではなく地域住民が主役ということ、多くのやるべき事項があるということを認識し、防災リーダーとしての資質をアップできたのではないかと思います。避難所運営ゲームの様子
避難所運営ゲームの様子

 一般に避難所については、多くの方が、避難所に行けば係の人が何とかしてくれる、あるいは何でもしてくれると思っているかもしれませんが、実は、役所(行政)の方たちも同時に被災していることから、避難所に来ることができない可能性があります。運よく役所や学校の職員が来た場合でも、三者で避難所運営委員会を組織することになります。そこでもあくまで主体は地域住民です。
 また、避難所には様々な人々が避難してきます。家族が離れ離れになった人、家を無くした人、ケガを負った人や病気の人、高齢者も子供もいます。地域の住民だけではありません。通勤途上の人や旅行者もいるかもしれません。外国人もいるかもしれません。ペットを連れてくる人もいるでしょう。そのような人たちを体育館や教室のどこに配置するか、起床から消灯までの生活のリズムをはじめ、必要な物資を明らかにして支援を要請したり、備蓄品や支給された物資をどの様に配分するかなど、自分たちのことは自分たちでルールを決め、実行することになります。やるべきことは沢山あるのです。

 ただ、防災リーダーになったから、これらを全部やらなければならないというわけではありません。こういうことができる人を周りに作っていくことが最も大事だと思います。
 そのためには、町会の防災委員だけが研修に行って、防災リーダーになればいいかといえば、それだけではいけないと思います。少なくとも町会の全ての役員はもとより、できるだけ多くの人が防災リーダーとして行動できるようにしておくのが望ましいと思います。
 今後、さらに防災リーダーの育成が、各自治体や町会等で活発になってくれることを願ってやみません。