危機管理業務部 主任研究員
 前之園 敏雄

【帰宅距離が20km以上の人は、全員「帰宅困難」→「帰宅困難者」】
(出展:千葉県ホームページ「帰宅困難者とは?」)

 私は、所謂、俗称「千葉都民」で毎日、約40kmを通勤していますので、何ら疑うことなく「帰宅困難者」となります。
 平成26年1月中旬に実施される「九都県市合同防災図上訓練」の準備が、8月初旬から始まりました。
 ここで改めて、初心に帰って、九都県市合同防災図上訓練の計画作成と「何ら、疑うことなく、帰宅困難者である自らの戒め」になればと、千葉県のホームページから引用(抜粋)させていただき、2回にわたり、「帰宅困難者対策」について勉強してみることにします。

 第1回は、冒頭の【帰宅距離が20km以上…】に関して、千葉県が定義している「帰宅困難者」について詳しく見てみます

 峙宅困難者」とは?
 自宅までの距離が遠く、徒歩で帰宅することが困難な人を「帰宅困難者」、自宅までの距離が近く、徒歩による帰宅が可能な人を「徒歩帰宅者」といいます。
※平成19年度に千葉県が行った千葉県地震被害想定調査では、1978年の宮城県沖地震での帰宅行動
 データをもとに、「帰宅困難者」と「徒歩帰宅者」を、次のとおり定義しています。
帰宅困難者
< 東日本大震災の発災当日、街頭のテレビに見入る帰宅困難者 >

 地震発生時の外出者のうち、
・自宅までの距離が10km以内の人は、全員「帰宅可能」
 →「徒歩帰宅者」
・帰宅距離10〜20kmでは、個人の運動能力の差から、距離が1km長くなるごとに帰宅困難となる
 人の割合が10%増加していきます。
・帰宅距離が20km以上の人は、全員「帰宅困難」
 →「帰宅困難者」

 また、千葉県地震被害想定調査では、東京湾北部地震が発生した場合、都内や県内などにおいて、最大で約108万人の県民が帰宅困難者となってしまうと予測していますから、私自身、1/108万であり、実に県民の約17%が帰宅困難者となります。
 東日本大震災では、首都圏で約515万人、千葉県で約52万人の帰宅困難者が発生していますから、当時の混乱が更に倍加することが予想されます。

 中央防災会議が平成20年に公表した「帰宅行動シミュレーション結果」では、帰宅を発災の翌日に分散すると、満員電車のような状態の道路を歩く人が大幅に減少し、満員電車状態の道路を3時間以上歩く人数は「半分の人が翌日帰宅すると、約4分の1に減少」するとの予想結果があります。
 これらのことから、地震が発生した場合の心構え(初動)について考えてみます。

 「あ!地震!その時あなたは・・・」
 「ちょっと待て!むやみに移動を開始しない!」


 大規模な地震が発生した場合、被害状況の把握、救出・救助、消火活動及び救援物資の輸送等の応急対策が行われますが、徒歩帰宅者により道路が混雑し、これらの活動に支障を及ぼすおそれがあります。
 実際、東日本大震災では約8割の人が帰宅していますが、交通機関が停止したことにより公道に滞留する、あるいは、代替交通手段に殺到したことにより、地震発生後から翌日にかけて東京23区内を筆頭に各地で猛烈な渋滞が発生し、この渋滞の影響で、災害現場に向かう救急車やパトカー等の緊急車両の通行が妨げられる問題が多発しました。

 次回は、「通勤者の備え」について見ていきます。