危機管理業務部 主任研究員
 前之園 敏雄

※「九都県市合同防災図上訓練を前に、改めて帰宅困難者対策を考えてみる!(その1)」のつづき。
 「その1」は、2013年9月4日付の記事を参照ください。



 第2回は、「通勤者の備え」について見ていきます。

通勤者の備え
 帰宅困難になった場合を想定し、徒歩帰宅や一時的な避難に備えて必要な物資等を準備しておくこととされ、次のような物が挙げられています。

 ・携帯ラジオ
 ・スニーカー、懐中電灯、手袋、飲料水、携帯食糧

  更に、
 ・家族で、発災時の安否確認の方法や集合場所等について話し合っておく。
 ・実際に歩いて帰宅経路の状況を確認し、帰宅地図を作成しておく。
 ・自宅の耐震化や家具等の転倒防止対策等を実施し、自宅の損壊や家族の死傷の原因を事前に減らして
  おく。


 ではここで、ある一つの物語を。
 帰宅困難者対策を勉強し、準備を進めていたM君は、最終段階として「実際に歩いて帰宅経路の状況を確認し、帰宅地図を作成することにしました。
 会社を出発し、東へ東へと歩き始めます。
 帰宅経路の特性は、大きな複数の河川があることです。
 国道6号線(関東大震災復興道路として建設)を北上、隅田川に架かる「言問橋(ことといばし):関東大震災復興事業として建設」を渡ります。
 言問橋の名は、在原業平が詠んだ「名にし負はば いざこと問はむ都鳥 わが思ふ人は ありやなしやと」という歌に因むと言います。
 更に北上して、次は荒川に架かる「四ツ木橋」を渡ると、京成押上線沿いに「京成青砥駅」を目指して北上します。
 中川に架かる「高砂橋(斜張橋)」を渡り、「京成高砂駅」から京成金町線沿いに「京成柴又駅」を通過して、第一日目の目標「矢切の渡し」に到着します。
 江戸川(矢切の渡し)を徒渉すると千葉県に入ります。
 ここまで、全行程の約半分です。

 徒歩帰宅者が安心して徒歩帰宅を選択できる最良の味方が、「徒歩帰宅者への支援」です。
 千葉県を含む九都県市では、救助・救急活動が落ち着いた後に、徒歩で帰宅する方を支援する取組みとして、コンビニエンスストア、ファミリーレストラン、ガソリンスタンド等と帰宅支援協定を締結しています。
 協定では、徒歩帰宅者に対し、水道水やトイレの提供、地図等による道路情報、ラジオ等で知り得た通行可能な道路、近隣の避難場所に関する情報提供を行うこととなっています(店舗等の被害の状況によっては、利用できない場合があります)。
 本協定に賛同した店舗を「災害時帰宅支援ステーション」と呼び、「災害時帰宅支援ステーションステッカー」を店舗の入口など、利用者の見やすい位置に掲示しています。
災害時帰宅支援ステーションステッカー
<災害時帰宅支援ステーションステッカー>

 更に、千葉県では、「千葉県石油商業組合に加盟する県内のガソリンスタンド」が、災害時帰宅支援ステーションとして、以下のようなステッカーを掲示しています。
 ちなみに、東京都、埼玉県、神奈川県も併せてご紹介します。
災害時徒歩帰宅者支援ステーションステッカー
<災害時徒歩帰宅者支援ステーションステッカー>

 今後、機会があるごとに、これらのステッカーを確認しながら、帰宅地図を作成していこうと思います。

【画像出展】
九都県市地震防災・危機管理対策部会
「災害時帰宅支援支援ステーション 事業者用ハンドブック」