危機管理業務部 主任研究員
 椿山 巖

※「住民避難シリーズNo.5」のつづき。
 「No.5」は、2014年3月28日付の記事を参照ください。



 災害時において「住民避難」は、とても重要なテーマの1つです。「いかに住民を避難させるか」は、「いかに被害を軽減するか」に大きく関係しています。

 私の担当回では、「住民避難」を基本にして、防災関係機関等の資料を参考に、気になっていることなどを紹介していきます。

 第6回目は、内閣府が平成21年度に実施した「防災に関する特別世論調査」の概要から。全国の20歳以上の3,000人(有効回答1,916人)を対象にした調査結果です。
06_01

 まずは、「避難行動を開始するタイミング」です。
 全体の20%が、自分で判断するという結果が出ています。この原因として考えられるのは、避難準備情報・避難勧告・避難指示の言葉の意味をしっかりと理解していないことではないでしょうか。
06_02


 次に、「避難にかかる時間」です。
 89%の人が30分以内に避難を完了することができますが、8%の人は避難場所を知らないと答えています。
 私たち住民は、普段から、洪水時の避難場所と安全な避難経路をしっかりと把握することが大切です。

 この2つの世論調査から、行政は住民に対して、洪水及び避難に関する知識の普及・啓発を図る必要があると感じます。洪水などの危機に対する正確な知識が、被害を軽減する第一歩ではないでしょうか。