危機管理業務部 研究員
 齋藤 芳

 自衛隊を定年退職後、弊社に入社して7年の歳月が過ぎた今年の4月29日、春の叙勲と併せて行われた「第22回危険業務従事者叙勲」で受勲するという名誉に浴しました。危険業務従事者叙勲は、平成15年から年2回行われており、私は「瑞宝単光章」をいただきました。
叙勲
 受勲者は主に警察官、消防官、自衛官、海上保安官等の危険性の高い業務に従事した55才以上の元公務員を対象に叙勲する栄典制度です。
 自衛隊に入隊した若かりし時は、将来、勲章をもらうなど考えたこともなく、只々がむしゃらに「いざというときに国を守る」という使命感で訓練に明け暮れ、長い隊員生活の中で世の中の流れに従い、雨に打たれ、雪に埋もれ、泥だらけになりながら地を這い、飛んでいる飛行機からパラシュートを背負って地上に舞い降りたり、国連平和維持活動(PKO)の一員として日本から12,000km離れたアフリカのモザンビークに派遣されたりと忙しい毎日を過ごしていたら、いつの間にか30余年が経っていました。
 今にして思えば、これまでの様々な経験はまさに「危機管理」という言葉そのものの半生だったのかなと思っております。長い年月を経た今でも「強い責任感をもって専心職務の遂行に当たり、ことに臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託に応えることを誓います」という入隊当日行った宣誓の一文が脳裏に焼き付いています。

 さて、叙勲当日の5月14日は、各省庁が指定したそれぞれの場所で叙勲の伝達を受けるのですが、私は防衛省(旧防衛庁)出身ですので、ホテルで受付後、防衛省に移動しました。
 防衛省内の大講堂で防衛大臣から伝達を受け、受章した瑞宝単光章を胸に付け、陸上幕僚長主催の会食の後、防衛省のバスで皇居に移動し、皇居内の春秋の間で今上陛下に拝謁の祭を賜り、陛下からお言葉をいただきました。
 その後、皇居内で記念撮影をした後、ホテルに戻り、解散となりました。
 当日は分刻みのスケジュールで、着慣れないモーニング姿で和服姿の家内とともに忙しく走り回ったせいか、普段以上に疲れましたが、とても快い疲れでした。

 弊社は、「人々の生命、身体及び財産を災害から守る」という防災の目的達成に寄与することを基本使命として、「幅広く地域社会に貢献する」ことを方針として、「創造とたえざる挑戦」を合言葉に、真に役立ち、信頼される防災・危機管理コンサルティング企業を目指しております。
 今後も、受勲の栄誉を胸に、防災・危機管理コンサルティング企業の一員として、自覚と責任を持って、「危機管理」を常に考え、実践していきたいと思っております。