危機管理業務部 主任研究員
 松並 栄治

 このところ、夕方近くになって局所的な集中豪雨が頻繁に発生しています。それも、昔の夕立といった生易しいものではない気がします。
 一般的には、
〆匈欧糧鏈匍模が都市のスケールに応じて大きくなる場合
都市のあり方そのものが被災規模を拡大させてしまったような場合
人口や施設が集中している都市部だから起こってくる多様な災害現象の場合

を「都市災害」と総称しているようです。
 今回は、この中の「E垰塢瑤世ら起こってくる多様な災害現象」の中の、雨や雪(水)に関して記載してみようと思います。

 東京都に代表される人口の集中した都市部においては、高層建築物が立ち並び、土地はコンクリートで埋め尽くされています。このため、エアコンなどによって排出された空気は、周辺の外気温に影響を与え、地球温暖化の要因となるばかりでなく、都市部特有の特殊な気象災害の1つである「ゲリラ豪雨」を生み出し、都市部で洪水が発生する要因になっているともいえます。
 短時間の局地的な集中豪雨による降雨量が都市部の排水能力を上回る場合には、道路・鉄道の冠水、地下街への雨水の流入等が生じ、交通機能及び地下都市機能の麻痺や人的被害が発生するおそれがあります。

 また、高度成長期、都内では工業用水として使用するために地下水を大量にくみ上げていましたが、地盤沈下が問題になったため、地下水のくみ上げを規制し、地盤沈下は大幅に解消されたと聞きます。しかし、半世紀を経て、今度は予想以上の水量が戻ってきてしまい、上野駅や東京駅周辺では地下水位が急上昇し、その結果、上野駅や東京駅の地下は丸ごと水没したような状態になっているそうです。
 実際、地下ホームがある駅では、水没の影響で構造物が浮き始めており、そのため、東京駅では重い鋼鉄製のいかりで構造物が浮上しないように留めているほか、上野駅では地下新幹線ホーム下に重さ数万トンもの鉄板を設置しているそうです。
 このように、東京駅や上野駅に限らず、地下開発はあちこちで行われており、都市部特有の「ゲリラ豪雨」や「地下水位の急上昇」に伴う水害が大規模な災害に発展する可能性は否定できません。

 更に、今年(2014年)の2月8日(土)に、東京都心で積雪27cmの大雪となりましたが、積雪が20cmを超えたのは1994年2月12日以来のことであり、連日、ニュースで交通機能や都市機能の麻痺等が取り上げられていました。
 雪になるか・ならないかは、ほんの少しの温度差で決まるそうで、都心では、「人があまりいない→暖房を使用しない→温度(外気温)が下がる」土日に雪が降る確率が高いという話を聞いたことがありますが、ある意味、これも都市型といえそうです。
雪1
 人口や施設が集中している都市部だから起こってくる多様な災害現象、そしてこれに加えて大地震が連接して発生するような、いわゆる「複合災害」となることをも想定して防災を考えていくことが重要といえます。
 そして、都市災害に対して強靭な都市づくりを実施するという「ハード面の準備」や、複合災害を想定した被害想定による防災訓練等を実施するという「ソフト面の準備」がいずれも必要ではないでしょうか。