危機管理業務部 主任研究員
 澤野 一雄

 弊社では、「平成28年(2016年)熊本地震」の発生を受け、平成28年4月24日(日)〜27日(水)の間、被災地調査を実施し、私もその一員として、熊本県に行ってきました。
 今回は、その被災地調査を通じて感じたことの一端をご紹介いたします。

01
< 地震により大きな被害を受けた熊本城 >

 まず、今回の地震は、以下のような特色を有していると思います。
/姪截靴涼録未2回発生したこと
地震域が広範囲に拡散したこと
震源が比較的浅いこと
ね梢未継続した(している)こと

 このため、震源地付近の断層により甚大な被害が集中するとともに、長引く余震やインフラ復旧の遅れから、最大18万人余の避難者が発生しました。

 この甚大な災害に対応するため、熊本県や熊本市の災害対策本部において、自衛官OBが災害対応の指揮を執っていたり、現職自衛官が道路の応急復旧工事に従事したり、避難所において給水・給食・入浴支援、物資輸送支援等を行っていました。私が元自衛官だからかもしれませんが、改めて災害時における自衛隊組織の心強さを感じた次第です。もちろん、全国から集合した警察官の皆さん、常備の消防士、消防団の皆さんも被災地で懸命に頑張っておられたことは言うまでもありません。

 次に、避難所の運営等についてです。
 避難所には、多くの人が雑然と避難している印象を受けました。全国各地で避難所の開設・運営訓練が数多く実施されていますが、実際、訓練のように整然と避難所が運営されているところは少ないのだと痛感しました。
 また、報道では「物資が不足している」といった情報が流れていましたが、各避難所には支援物資が十分に行き渡っており、物資面での心配は無いようでしたが、一方で、配分する職員が少ないようでした。特に、印象に残ったのが、避難所の状況を調査していた際、避難者の方から声を掛けられ、「余震が続いて家では眠れない」とか「地震で家具等が倒れて家に住めなくなった」など、色々な話をしてくれました。発災から約10日(※調査当時)が経ち、被災状況や避難中の思いを誰かに伝えたいという気持ちがひしひしと伝わってきました。
 また、医療関係者の方の話では、「物資の支援」から「心の支援」に被災者のニーズが変わってきているとのことでした。誰でも良いので、話を聞くことが避難者の心の安定に繋がるものだと感じました。
 また、ペットの犬を連れて避難所に避難している初老の女性の方とお話をする機会があった際、その方は「ペットが心の支えになる。でも、ペットもストレスを感じている。」と言っておられました。ペット同行の避難については色々な意見があると思いますが、まずは、多くの人に「ペット同行避難」について理解してもらう必要があるのだと思います。当然、避難された方の中には犬や猫が嫌いな方もおられるだろうし、アレルギーをお持ちの方もいます。さらに、ペットといっても爬虫類などの取り扱いはどうするのかなど、様々な点でコンセンサスを得る努力が必要だと思います。

 今回の熊本地震は、震度7の地震が2回発生、広域に震源が拡散した、また、過去の地震と違うパターンであったため、自治体・自主防災組織などの対応が後手にまわってしまった感も否めませんが、それぞれの立場で被災地や被災住民のために一生懸命頑張っておられる姿を拝見することができました。
 1日も早く元の生活に戻れるよう願ってやみません。
 「頑張れ、熊本! 頑張れ、大分!