危機管理業務部 主任研究員
 椿山 巖

※「住民避難シリーズNo.9」のつづき。
 「No.9」は、2015年4月27日付の記事を参照ください。



 これまで、私の担当回では、災害時における「住民避難」に係わる防災関係機関の資料などをご紹介してきましたが、今回も「津波避難」に注目してみたいと思います。
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 平成23年の東日本大震災を受け、毎年11月5日が「津波防災の日」と決められていることはご存知のことと思います。「津波防災の日」については、内閣府の防災情報のページで以下のように記載されているとともに、これまでの取り組み等が詳しく紹介されておりますので、是非とも一度ご覧いただければと思います。

※津波防災の日(11月5日)について
 平成23年の東日本大震災では、東北地方の太平洋沿岸を襲った津波によって多くの人命が失われました。これを受けて、津波から国民の生命を守ることを目的に「津波対策の推進に関する法律」が制定され、その中で毎年11月5日が「津波防災の日」と決められています。
 ちなみに11月5日は、江戸時代(1854年)に中部地方から九州地方の太平洋沿岸に大きな津波被害をもたらし、『稲むらの火』のモデルにもなった安政南海地震の発生した日に因んだものです。
 内閣府(防災担当)では、この「津波防災の日」を広く皆様に知っていただき、津波対策についての理解と関心を深めていただくため、さまざまな取組を行っています。


 今年の11月5日「津波防災の日」は土曜日だったということもあり、全国各地の(特に、地震の発生場所によっては津波が発生、襲来が想定されている沿岸地域を抱える)自治体では、津波避難訓練等が実施されています。

 私の住んでいるC市では、津波ハザードマップが作成されています。平成24年6月に発行されたものですから、そろそろ改訂すると市職員の方も言われていました。しかしながら、最新の被害想定を見ても、鉄砲道以北が浸水することはないと考えられているため、大幅な変更にはならないと思います。C市の津波避難対策においては、いかに早く海岸から鉄砲道以北まで避難するか、または、指定された津波一時退避場所(津波避難ビル)まで避難するかを市民に周知、徹底するといったソフト面が特に重要になりそうです。

 津波ハザードマップを詳しく見てみると、市内の標高10mを超える地域にも津波一時退避場所津波避難ビル)があることに気付きます。また、市職員の方のお話では、指定した津波一時退避場所(津波避難ビル)の中には、耐震基準を満たさない建築物もあるとのことです。これは、チリ地震などのように、遠隔地で発生した地震津波を想定したものと思われますが、避難する市民は、十分に理解しておく必要があります。
 内閣府の「津波避難ビル等に係るガイドライン」では、津波避難ビル等の指定に関して、耐震診断によって耐震安全性が確認されていること、または、新耐震設計基準(1981年(昭和56年)施行)に適合していることを基本としていますが、市町村またはそれぞれの地域の事情により、例外もあるということだと思います。

※「津波避難ビル等に係るガイドライン」とは
 このガイドラインは、高台までの避難に相当の時間を要する平野部や、背後に避難に適さない急峻な地形が迫る海岸集落、また、地震発生から津波到達まで時間的な余裕が極めて少なく、避難のための十分な時間を確保できない地域に対する現実的な対応策として、一時退避のための津波避難ビル等の指定、利用・運営手法等について示したものです。

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< 「津波一時避難場所」の標識 >

津波避難ビル
< 「津波避難ビル」の標識 >

 南海トラフ地震の発生も懸念されています。海岸付近にお住いの方は、ハザードマップ、記載内容の意味など、もう一度、確認しておくと安心ですね。