危機管理業務部 研究員
 在原 真次

 私事ですが、趣味でよく博物館や動物園を巡っています。昨今の博物館などは、難しい事柄をただ展示しているだけでなく、「体験型」を重視しているように感じます。
 少し古い事例ですと、旭川動物園の行動展示、しながわ水族館のトンネル水槽、福井県恐竜博物館のリアルで動くティラノサウルスなどがあります。また、博物館とは違いますが、キッザニアなどの子供が楽しめるアミューズメントが人気を博しています。飽きっぽい子供たちも大喜びで、順番待ちの列ができるほど大盛況です。
 これらの施設は、大掛かりな装置を用いていることなどから維持費等がかかるため、入場料が必要ですが、最近はこれらの施設に負けないぐらいの体験学習型の施設で、しかも、無料の施設があるのをご存知でしょうか。それは、国や自治体等が運営している「体験型防災センター」です。

 元々、防災センターとは、災害時に使用できなくなった庁舎の予備施設で、自治体が災害対策本部を立ち上げて、住民の生命・身体・財産を守るための司令塔となる施設です。しかし、近年は防災についての学習ができる施設を併設して運用されている所が増えています。また、独立した学習施設を防災センターと呼んでいる所もあります。
 防災センターと聞くと、学校の校外学習や社会科見学等の一環で連れていかれて、難しい説明が書かれているパネルなどがずらーっと並んでいて読むだけで大変、地味で楽しめるようなものも全然なくて、はっきり言って「面白くない」といった印象(思い出)を抱いておられる方のほうが多いのではと思います。しかし、最近では、そんな一昔前のイメージを払拭するような「面白い」展示等になっている施設が次々にリニューアルオープンしています。
 これは、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震などにより防災意識が高まっていることから、国や自治体でも、いかに住民(国民)の生命・身体・財産を守るかに力を入れていることの現れであり、防災などの危機管理に興味を持ってもらうための工夫に本腰を入れて取り組んでいる結果なのだと思います。

 これらの施設は、当然、税金で運営されている行政サービスなので、その殆どが入場無料となっています(※一部、入場料がかかる施設もあります)。
 特に、東京都江東区に2010年にオープンした「そなエリア東京」は、「東京直下72h TOUR」という体験コーナーがあり、国や自治体の支援体制が整う地震発生から72時間までを、被災地を再現した実物大セットの中で、タブレット端末によるクイズ形式で生き抜く知恵を学習できるようになっています。勿論、無料です。
 ちなみに、この施設にある災害時のオペレーションルームは、2016年に公開された映画「シン・ゴジラ」の撮影にも使われています。
在原_No.01_そなエリア東京(仮)
【 そなエリア東京:東京都江東区有明3−8−35(東京臨海広域防災公園内) 】

 その他、関東エリアの主な体験型防災センターとしては、以下の施設があります。
神奈川県総合防災センター(神奈川県厚木市下津古久280)
 ※2018(平成30)年3月1日にリニューアルオープン

横浜市民防災センター(神奈川県横浜市神奈川区沢渡4−7)

埼玉県防災学習センター“そなーえ”(埼玉県鴻巣市袋30)

千葉県西部防災センター(千葉県松戸市松戸558−3)

東京消防庁池袋都民防災教育センター池袋防災館(東京都豊島区西池袋2−37−8)

 東京消防庁は他にも、以下の施設があります。
立川防災館(東京都立川市泉町1156−1)
本所防災館(東京都墨田区横川4−6−6)
消防博物館(東京都新宿区四谷3−10)

練馬区立防災学習センター(東京都練馬区光が丘6−4−1)

東京都北区防災センター(地震の科学館)(東京都北区西ヶ原2−1−6)

 関西地区の主な体験型防災センターとしては、以下の施設があります。
大阪市立阿倍野防災センター(大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋3−13−23)
 ※地震災害体験ゾーンで、地震に関する情報をニュース形式で紹介、大画面映像及び振動装置で、
  大地震が発生した状況を体験できます。

人と防災未来センター(兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1−5−2)
 ※阪神・淡路大震災をきっかけに、防災・減災の拠点となることを目的に設立させた機関です。
  ここは入館料がかかります。

京都市市民防災センター(京都府京都市南区西九条菅田町7)
 ※体験の種類が豊富です。

 他にも、全国に150以上、防災体験ができる県や市の施設があります。
 主な体験コーナーとしては、起震装置による地震体験、火災(煙)体験、消火器使用体験、強風豪雨体験、通報体験(119番の通報)などがあります。大型スクリーンによる映像シアターの放映を行っている所もあります。

 皆さんも、自分たちの命を守るための学習ができる体験型防災センターを、アミューズメント感覚でお得に利用してみてはいかがでしょうか。個人は勿論、ご家族で「お得に(無料で)」「楽しみながら」「防災学習・体験を通じて防災意識を高められる」と思いますよ!