危機管理業務部長
 澤野 一雄

 2018(平成30)年3月下旬、柏崎刈羽原子力発電所と発電所周辺地域の避難所や特別養護老人ホームなどを見学する機会がありました。
 今回は、その時に感じたことなどを記載したいと思います。
澤野_No.02_柏崎・刈羽原子力発電所遠景
【 新潟県の柏崎市と刈羽村にまたがって位置する柏崎・刈羽原子力発電所 】

 2011(平成23)年3月11日に発生した東日本大震災では、東北地方を中心に甚大な被害が発生しました。特に、福島県では、福島第一原子力発電所における過酷な事故により、現在でも避難生活が継続しています。

 今回の柏崎刈羽原子力発電所の見学では、この福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえて、災害対策本部の組織の見直し、フィルターベントの設置、外部電力途絶時の予備電源の準備、冷却用消防車の配備、各種訓練の実施など、様々な対策を実施しているとの説明がありました。
 また、原子力発電所周辺地域の避難所や特別養護老人ホームでは、すぐに避難ができない住民やホーム入居者の一時的な待機場所とするために、外部からの放射性物質の侵入を防止できるフィルター装置が設置されていることを確認しました。
澤野_No.02_フィルター装置2
【 外部からの放射性物質の侵入を防止できるフィルター装置 】

 この見学を通じて、原子力事故の教訓を踏まえて「様々な対策を講じている」と感じると同時に、まだまだ検討・検証すべき事項があることも感じました。
 例えば、
^貉的な避難場所となっているコミュニティセンター(避難所)と特別養護老人ホームから
 安全な避難所に移動する手段(車両)や避難者の移動を手助けする実動機関等が決まっていない。
屋内退避の状況で老人ホーム職員の参集ができるのか。

など、住民や職員の皆様が不安に思っていることに対する検討が必要だと思います。
 その他にも、
PAZ(5km圏内)の人を避難させるために必要な時間の検証
ぜ尊歸な住民避難訓練の実施と検証
ゥ茱α悩泙魄用する場合の手順が計画等に準拠して実施できるかの検証
η雕蟯羽原子力発電所から県・市町村への迅速な情報提供要領の検証

など、現行の避難計画の実効性の検証、計画の具体化や充実が必要だと感じました。

 原子力事故を起こさないことが大前提です。しかし、万が一にも事故が起こった場合を想定し、事故の早期収拾と拡大防止、住民の安全確保、被害軽減処置等が適切に実施できる体制にあるのかの検証が必要であると思います。