危機管理業務部 主任研究員
椿山 巖

 大規模災害時の被災自治体において、非常時優先業務を適切かつ迅速に遂行するためには、必要な資源を継続的に確保する必要があります。そのためには、応援を受けつつ、資源を適切に配分しなければならず、広域応援・受援計画が、非常に大切です。
税務大学校熊本研修所自主避難所5

 内閣府では、「平成22年度地方公共団体における受援計画の策定等に関する検討業務」、「平成23年度地方公共団体における受援計画の策定等に関する調査・検討業務」をはじめ、「地方公共団体のための災害時受援体制に関するガイドライン」などの資料を公表し、受援計画の策定を促しています。
 これらの資料を参考に、受援計画策定に関する基本的な考え方を整理すると、以下のようになると思います。

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広域応援・受援に関する調査報告や計画等の把握
E貽本大震災・熊本地震の教訓の反映
ぢ仂殀楼呂伴援体制・メニューの決定
ジ‘ぢ寮の整備
β腟模災害時の総所要に対する受援所要の把握
Ъ援メニューごとの応援・受援体制及び要領の整理
┨域防災拠点(仮称)の整備・運用方針の策定

 検討するにあたり、特に問題となるのは、ぢ仂殀楼呂伴援体制・メニューの決定です。
 まず、時期的な対象範囲について、「地方公共団体のための災害時受援体制に関するガイドライン」では、「初動期〜応急期〜復旧期(初期)」としています。被害規模が大きく、復興の取り組みに至るまで長期化する場合は、別の枠組みでの支援が必要と考えられています。
 続いて、受援体制です。大規模災害時においては、応援側の各団体と被災側の各団体の間に立って、人的・物的資源の応援・受援に係る調整を行う場合もあれば、所有する人的・物的資源を被災側の各団体に投入する場合もあり、その対応は様々です。人員数等の課題はありますが、被災市町村では、「受援班」、被災都道府県では、「応援・受援本部」を設置するのが、適切ではないでしょうか。
 最後に、受援メニューです。大きくは、以下の6つの項目が考えられます。

ゝ濬・消防
⊃妖支援
J的支援
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 全てを網羅した計画を作成するには、関係部局や防災関係機関などからなる作業部会を組織して、多くの時間と調整が必要になります。当面は、/妖支援∧的支援を中心に検討を進めるのが妥当ではないでしょうか。
 平成28年4月の熊本地震においては、国は過去の災害の教訓から、被災自治体の要請を待たずに支援を開始する、いわゆる「プッシュ型支援」を実施しました。しかしながら、行政機能の不全、受援の経験がないなどの要因により、結果的には、被災者救援対策が遅れたとの指摘がなされました。日本全国、どこにいても大規模な災害に合う可能性があります。全国の自治体において、早急に受援計画が策定されることを、切に願います。