危機管理業務部 主任研究員
 比留間 治郎

 本日は皆さんに「みずる(MSEL)ゲーム型避難所訓練」をご紹介します。
 本日は皆さんに「みずる(MSEL)ゲーム型避難所訓練」をご紹介します。
 弊社はかねてから、区市町村や都道府県の行う避難所訓練の支援を行っているところですが、その訓練の形態は支援する地方自治体の環境や特性によって様々であります。
 大別すると「図上訓練型」「実動訓練型」「講座(講義)型」が代表的な避難所訓練であると思われます。
  嵜涵綏盈型」は、HUGDIG等に代表されるように「屋内でゲーム方式などにより避難所運営や当該する地域の防災」について学ぶもの。
 ◆崋惰扱盈型」は、実際の施設や資機材を用いて主に「実行動により避難所の運営や資機材の取扱い等」を学ぶもの。
 「講義(講座)型」は、講師による講話ワークショップスタイルにより「避難所運営にかかる基礎知識」を学ぶもの。
 と、整理することができ、それぞれ単独で、または、組み合わせて訓練対象となる地方自治体や自主防災組織(町会等)の特性に応じた訓練の企画や提案を行っているところであります。
 さて、「図上訓練型」の支援の中で、静岡県様が開発されたHUGを用いた訓練の際、多くの参加者のかたから「この地域、この施設、この避難所運営マニュアルに合致した具体的な訓練がしたい。」との声が多く寄せられました。HUG訓練は、ご案内の通り、架空の「防災小学校」を舞台に様々なことが書かれたカードを読み上げ、みんなで意見を出し合いながら「避難所運営の一般論」を模擬体験してゲーム感覚で学べる素晴らしい訓練方式です。また、そのHUG取扱説明書にも「地元の自主防災組織のメンバーで体験会を実施する場合は、できるだけ実際に使う避難所の敷地図、間取図を用意し・・(p2)」とあるように具体的なゲーム訓練を奨励しているところです。
 しかしながら、このHUG訓練やDIG訓練はそれぞれの狙いがあり、素晴らしい訓練効果がある反面、限界もあります。
 そこで弊社が研究・開発した、新しい図上訓練方式がご紹介する「みずる(MSEL)ゲーム型避難所訓練」です。「MSEL」とは「Master Scenario Event List」の略であり、皆さんには聞きなれない言葉(略語)だと思いますが、自衛隊OBの私にとりましては、米国との共同訓練の際には必ず登場してくるもので、文字通り訓練の軸を成す「イベント」を体系的に展開・管理されたものです。これを弊社は訓練対象となる自治体や自主防災組織の定める「避難所運営マニュアル」に適用したところであります。

 すなわち、実在することが前提ですが、「避難所運営マニュアル」を体系的に展開し、マトリックスに落とし込み、避難所の開設及び運営に必要な事項と担当する部署、更にはそれを確認するために必要な事象(イベント)を整理しました。
 また、実際的かつ現実的な訓練とするため、拡大した「実際の指定避難所の平面図(全階)」、「避難者情報カード」、「避難者収容スペース図」を準備するとともに、訓練参加者の視覚的理解を容易にするため、「施設表示ピース(立体)」「立体模型」「カードの色別化」も準備したところです。
MSEL(その1_画像)

 従いまして、「みずる(MSEL)ゲーム型避難所訓練」とは「自治体などの定める避難所運営マニュアルに示す避難所の開設・避難者の収容〜避難所の運営・管理等一連の主要な業務の流れ(マスター シナリオ)において、様々な対応すべき実際的な事象をイベント リスト」として設け、また、実際に使用する避難所の図面(平面図)を用いて、参加者がお互いに意見を出し合いながら避難所の開設や運営についてゲーム感覚で学ぶ新しい形の避難所運営訓練」です。
 本訓練は、昨年度(30年)から、都内でも防災に関して先進的な取り組みをされている某区様に採用され、5ヶ所の区指定避難所において実施して、参加された区民の皆様から大変ご好評を得たところであります。
 ちなみに、当然ながら5ヶ所の区指定避難所は違う建物ですので、拡大「平面図」等は全てオーダーメードという形になります。
 この訓練の進め方ですが、ファシリテーター及びアドバイザーを配置して進行しますが、その細部については次回(その2)以降にお話させていただきたいと思います。