危機管理業務部 危機管理一課長
 松並 栄治


 皆さんは「防災4.0」という言葉を知っていますか。
 過去の大災害とその後の取組を
1959 年(昭和34 年)の伊勢湾台風:「防災1.0」
1995 年(平 成7年)の阪神・淡路大震災:「防災2.0」
2011 年(平成23 年)の東日本大震災:「防災3.0」
 とし、災害の激甚化に備えたこれからの取組を
ぁ嵋漂 4.0」
 と呼称し、まとめて「防災4.0」となっています。
 ,らの概要は
 嵋漂劭.0」:伊勢湾台風
 紀伊半島沿岸一帯と伊勢湾沿岸では高潮、強風、河川の氾濫により甚大な被害を受け、特に愛知県では、名古屋市や弥富町、知多半島で激しい暴風雨の下、高潮により短時間のうちに大規模な浸水が起こり、死者・行方不明者が3,300名以上に達する大きな被害となった。 また、三重県では桑名市などで同様に高潮の被害を受け、死者・行方不明者が1,200名以上となった。この他、台風が通過した奈良県や岐阜県でも、それぞれ100名前後の死者・行方不明者があった。
 その後の取組は次の通りです。
●災害対策基本法の制定
●災害対策基本法に基づく中央防災会議の設置
●防災基本計画の作成
◆嵋漂劭.0」:阪神・淡路大震災
 近畿圏の広域が大きな被害を受け、特に震源に近い神戸市市街地の被害は甚大で、日本国内のみならず世界中に衝撃を与えた。犠牲者は6,434人に達し、第二次世界大戦後に発生した地震災害としては、東日本大震災に次ぐ被害規模であり、その後の取組は次の通りです。
●官邸における緊急参集チームの設置等の政府の初動体制の整備
●建築物の耐震改修促進法の制定
●被災者生活再建支援法の制定
●「自助」「共助」の取組の具体化
「防災3.0」:東日本大震災
2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う福島第一原子力発電所事故による発生時点において日本周辺における観測史上最大の地震であり、その後の取組は次の通りです。
●大規模地震の被害想定や対策の見直し
●防災の基本理念としての「減災」という考え方の位置付け
●想定し得る最大規模の地震・津波や洪水等への減災対策
●原子力規制委員会の設置等の原子力政策の見直し
●津波防災地域づくりに関する法律の制定、海岸法改正、水防法改正等
●都道府県・国等が要請等を待たず自らの判断で物資等を供給できる仕組み
(プッシュ型の物資支援)
●災害により地方公共団体の機能が著しく低下した場合、国が災害応急活動を応
援し、応急措置を代行する仕組みの創設
 となります。
 そして、災害の激甚化に備えたこれからの取組を「防災4.0」となっています。
大災害に対する色々な対策を講じたとしても、災害を完全に「防ぐ」ことはできないものでありますし、災害発生時における「公助」には限界があります。
 このため、「公助」に頼り切りになるのではなく、人々が必要な情報を十分に共有しつつ、災害リスクに主体的に向き合い、災害に備えるための継続的な取組が行われ、自治会や自主防災組織単位の地区防災計画の作成、各人・各家庭単位の災害・避難カードの作成、災害・避難カードに基づく避難訓練の実施等により、自分の命は自分で守る、自分達の命は自分達で守るという意識の醸成が必要なのです。