危機管理業務部 主任研究員
 安藤 正一


 令和2年は、中国で発生した「新型コロナウイルス」の感染拡大で、我が国のみならず、世界中で大変な事態になっております。このため、我が国では4月上旬に、「緊急事態宣言」が発令され、国民に対して不要不急の外出を控えるよう要請が出されるなど、「新型コロナウイルス」の感染拡大を抑制するため、5月中旬から下旬まで約2か月間にわたって、各種行動の自粛と店舗等の営業活動の休止等の要請、指示が続きました。
 この効果もあって5月下旬には、感染者数がかなり減少しておりますが、この事態が完全に終息する状況とは言えず、引き続き、国民一人一人が、「新型コロナウイルス」に対する警戒を怠らないようにしなければなりません。
 このような状況下ですが、我が国では、ここ数年、大きな地震や風水害などの自然災害が多発している状況を踏まえると6月以降、大きな地震や風水害に見舞われる可能性があることを、国民一人一人は忘れてはなりませんし、国や地方自治体も、訓練を含めて事前の準備を実施しておかなければなりません。
 そして、今年は、避難所においても「新型コロナウイルス」のクラスター感染が懸念されておりますので、国民一人一人は、大きな地震や風水害が発生した場合には、先ずは、自宅や親せき宅で避難生活が出来るかを判断して、それが困難な場合には避難所に赴くようにすべきでしょう。
また、避難所を開設・提供する地方自治体も、避難所に避難してくる地域住民の感染防止対策(「3密」の防止)を施した避難所を開設・提供するため、「避難所開設・運営マニュアル」の特別編を追加する必要があるでしょう。具体的な例を挙げるとすれば、避難所内の避難者相互のソーシャルディスタンスを踏まえたレイアウトの作成、パーテーション、消毒薬、体温計等各種物品の事前準備、保健師、看護師の配置についての事前調整等が考えられますし、避難施設のスペースが例年以上に必要なことから避難所施設数も、更に多く確保する必要があるかもしれません。
 また、感染を防ぐため避難者の多くが避難所のグラウンド等において車中泊する可能性もあり、そのよう場合の避難所運営の検討も必要でしょう。
 いずれにしましても、今年は、「新型コロナウイルス」の感染拡大の危惧の中での、自然災害への備えを行うという、最悪の事態への備えが求められています。