危機管理業務部 主任研究員
 木村 栄子


添付画像「避難所訓練with新型コロナウイルス」


 テレビ、新聞、ネットなどで、出水期を前にした市町村の避難所開設・運営訓練のニュースを見かける機会が増えました。今年は例年と異なり、新型コロナウイルス対策を考慮した避難訓練が、次のように取り上げられ関心の高さがうかがえます。


・4月23日 鹿児島県鹿児島市(朝日新聞デジタル4月24日)
・5月16日 福島県福島市(河北新報ONLINE NEWS 5月17日)
・5月24日 熊本県益城町(熊本日日新聞 5月24日)
・5月28日 岐阜県美濃加茂市(日経新聞/岐阜 愛知 三重 5月29日)
・6月 2日 栃木県宇都宮市(下野新聞 6月3日)
・6月 6日 山梨県韮崎市(NHK NEWS WEB 6月6日)
・6月 7日 岐阜県可児市(岐阜新聞Web 6月8日)
・6月 7日 宮城県東松島市(河北新報ONLINE NEWS 6月8日)
・6月 9日 宮崎県延岡市(宮崎日日新聞 6月16日)  
・6月10日 愛知県名古屋市(日経新聞/中部 愛知 6月10日)
・6月11日 群馬県渋川市(毎日新聞/地方版 6月13日)
・6月12日 長崎県時津町(Yahoo!Japan NEWS/NBC長崎放送 6月12日)
・6月13日 愛知県豊橋市(CBC NEWS 6月13日)  
・6月17日 広島県三次市(NHK NEWS WEB/広島NEWS WEB 6月18日)

 市町村としては、いつ起こるかわからない、待ってはくれない災害に対して、指定避難所に被災者を一人でも多く受け入れたいが、いまだ終息の見えない新型コロナウイルスを考慮した「3密」を避けた安全な対応が必要となり、避難所の開設・運営には、今まで以上に住民の理解と協力が重要となってきています。

 新型コロナウイルスを考慮した避難所開設・運営訓練では、今までの避難所開設・運営の他に、
 間隔をとった居住スペースの配置、飛沫防止の処置(シート、間仕切り)、発熱・感染の疑いがある避難者の隔離スペースの確保等の避難所施設の確保・配置
 受付要員の選定マスク、フェースシールド(防護服)の着用、避難者の受付待機間隔の保持待機時間の短縮処置迅速な体温測定の実施要領等の避難者受入体制
 換気、清掃、配食、トイレの区分、ゴミの処理場、避難所内でのマスク着用と熱中症対策の両立定期的な体温測定手洗い・消毒などの生活実施上のルールの作成
 発熱・感染の疑いのある避難者の誘導・隔離・観察・受診体制
など、避難者が「感染しない」、「感染させない」ための対応が重要となります。
 これらの対応には、場所、人、物の不足が課題とされ、市町村のみでは対応に限界があり、住民の理解・協力がより一層重要となりますし、避難者自ら避難生活のルールを定め、お互いに支えあう気持ちを醸成するなど、住民意識の変化を期待したい。

 内閣府防災情報のページでは、令和2年6月15日付「新型コロナウイルス感染症対策に配慮した避難所運営のポイントについて(YouTube)」等が視聴できるよう掲載されており、新型コロナウイルス感染が終息しない現状で、まさかの災害発生時に避難所開設・運営となった場合には、頼りになる内容です。
 最後に、目に見えないウイルスを相手に避難所を開設・運営することは、「つい、うっかり」ですまされない注意力を避難所内で共有、継続することが必要となります。
 このため、地域住民(ご近所)の連携強化(顔の見える存在として)、共通の認識(感染症対応方法、避難所の運営要領等)、役割分担(誰かがやるではなく、自分は何をやる、何ができる)などについて、地域住民が防災訓練などを通じて、それぞれの役割についての理解を深める必要があります。