危機管理業務部 主任研究員
 椿山 巖


 新型コロナウィルスが、世界中に感染を広げ、各国で多くの死者を出しています。日本では、1月中旬頃からマスクが品薄となり、価格が高騰、4月にはアベノマスクの回収という情けない事態に至りました。また、中国の工場閉鎖の噂によって、トイレットペーパーの買い占めが起こり、休業要請の影響で、スーパーなどでは、インタントラーメンやパスタなども品薄になりました。大規模な災害等が発生すると、それに関連した消費者トラブルが急増します。今回は、地震や台風などの災害時における便乗商法や怪しい勧誘などについて、考えてみたいと思います。

 独立行政法人国民生活センターでは、全国の消費生活センターに寄せられた様々な相談・問合せとその回答・アドバイスをまとめて報道発表しています。消費者被害の未然防止や拡大防止に繋がる資料です。

事例 台風の後に屋根を点検した業者に、不安を煽られ、高額な契約をさせられた。
 これは、よく聞く話です。つい先日、私の家にも屋根の無料点検をしたいという業者が来ました。「無料」という言葉と善意(?)の笑顔に騙されそうになりましたが、最後は、しっかり断りました。
 ただ、これが災害時であれば、判断を誤る可能性はあります。国民生活センターでは、複数の業者から見積もりを取ることや周囲に相談することを勧めるとともに、契約した後であっても、8日間はクーリング・オフができることなどを紹介しています。
クーリングオフ_通知文(HPより)

クーリング・オフの通知例文(HPより)

事例◆大雪により旅行を中止した際、ホテルからキャンセル料を請求された。
 これについては、公共交通機関の運行状況、ホテルの営業状況などよって、返金等を求めることができる場合もあるようです。とりあえず、小さな字で書かれた、読みにくく、分かりづらい約款を読むことから始めるしかないでしょう。
 私の子供も、コロナウィルスの影響で、国内旅行を中止しましたが、3月2日の休校要請後だったこともあり、全額返金になりました。2月中に解約するつもりでしたが、解約をギリギリまで我慢したことがよかったようです。この辺の判断はとても難しいですね。

事例:「被災者の役に立つ事業に投資しませんか。」と勧誘された。
 被災者への親切心につけこむような怪しい勧誘も多いようです。例えば、「高齢者施設の入居権を高く買い取る。」とか、「自然災害に役立つソーラーシステムに投資してほしい。」といったことが、実際にありました。
 また、市町村など行政機関の職員を装い、義援金などを募集するといったことがあるようです。その際の手段は、訪問、電話、電子メールやFAXなど、多岐にわたります。行政機関が、義援金などを戸別に募ることはないでしょうから、不審な話は聞かない、不審なメールは開かないなどといった心構えが、とても大切です。

国民生活センター_LOGO(HPより)

国民生活センターのLOGO(HPより)

 気になった事例を、いくつか紹介しましたが、災害時という特別な状況、特別な心理につけこむ悪質な業者が、世の中にたくさんいるのは事実です。二次災害(?)にあわないよう、私たちも気を付けなければなりません。