取締役(危機管理業務担当)
 山本 忠雄

 「防災の主流化」という言葉を目にした。私にとっては初めて見る言葉である。違和感を覚えたのでネットで検索してみた。

 財団法人国土技術研究センターの河川政策グループ研究主幹の園田敏宏さんが、「JICE REPORT vol.22/2012.12」に「防災の主流化について」書いておられるところによれば、公式には1999年頃、国連の国際防災戦略(UNISDR)で用いられ、現時点まで明確な定義はないが、
ヽ胴饑府が、「防災」を政策の優先課題とすること
∩瓦討粒発政策・計画に「防災」を導入すること
「防災」に関する投資を増大させること

の3点を主旨として使用されているとのことである。

 「防災の主流化」とは、「Mainstreaming Disaster Reduction」という訳のようで、平成24年(2012年)7月に仙台で開催された「世界防災閣僚会議in東北」においては、「防災の主流化」は以下の観点で整理されたとのことである。
)漂劼陵ダ莉膂未鮠紊欧襪海
⊇淑な財政資源を割り当てること
政府は中心的な責務を確保すべきこと
す顱γ楼茲離法璽困鳳じて適切にハード・ソフト双方の機能を組み合わせること
ズ匈殴螢好評価に基づく都市計画が重要であること
ν祝描蔀屬重要であること


 一方、デジタル大辞泉の解説では、「主流」とは、
〇拯が集まってできた、川の大きな流れ。本流。
∋彖曄Τ慳筺ν夕阿覆匹涼羶瓦箸覆觀晃。「現在の世界では自由経済が―となりつつある」
集団・組織の中で中心を占める流派・派閥。「―派と反―派」

のことであると定義している。

 このようなことから考えると、「国連の国際防災戦略」や「世界防災閣僚会議in東北」で言っている「防災の主流化」とは、日本語的には何事においても防災のことを考えること、防災を最優先にすることなのではないかという気がする。
 大辞林では、「最優先」とは、他の何物にも優先して扱うこと、「最優先すべき課題」と解説している。したがって、我が国においては、「防災の主流化」という言葉は、何事にも防災の観点を取り入れる防災を最優先に考えるという、「防災の最優先化」と言い換えるべきではないかと考える。

 「防災の主流化」は、災害による被害を少なくしようとする考え方を国際的な大きな流れにしたいという趣旨だとは思うが、それを政策や意識の上での「主流化」といきなり使われても誰も「ピン」とこないのではないかと思うし、防災用語の意義についての混乱を招くのではないかと危惧するものである。
なまず
< 古くから防災(地震)のイメージキャラクターとなっている「なまず」 >