危機管理業務部長
下川邊 哲三
訓練は何らかの目的をもって実施されます。その目的がどの程度達成されたかを評価することは極めて重要です。
自治体等の職員や防災・危機管理担当者は、意識的に評価されることを嫌うようであるし、評価の意識についての認識が薄いとも感じられます。また、訓練の結果として提示された評価を素直に受け入れる気持ちがないことには、問題点の改善にも繋がっていきません。
したがって、評価は、訓練目的を達成するために極めて重要であるということを組織全体が共通の認識として持つこと、また、そのような雰囲気を醸成することが必要です。そのためには、目的に合った訓練計画と評価・検証計画を作成すること、更に評価・検証ができる人を配置し、評価・検証方法を適切にすることが重要です。
訓練の目的・狙いに合った評価ができる訓練計画の作成するためには、「訓練の目的」⇒目的を具体化した「主要訓練項目」⇒達成できる訓練の枠組み「訓練計画の骨子」⇒どの程度できたかを検証する「評価・検証計画」⇒それを容易にする「状況付与計画」など、一貫性ある訓練計画の作成が重要です。
評価・検証を実施するためには、適切な評価・検証計画が必要であることから、訓練目的、主要訓練項目に基づき、その業務の実施状況や計画の有効性・実効性について確認し、じ後の対応策や修正に反映させるための評価項目を定めるとともに、適切な評価員を配置し、評価に関する事前教育などを行う、このような計画(評価・検証計画)を作成する必要があります。