危機管理業務部 主任研究員
井坂 敏之
※「危機は、いつでも、どこにでも(その1)」のつづき。
「その1」は、2013年5月27日付の記事を参照ください。
私の回では、「日常生活において危機管理の視点を持つことの重要性」をテーマに考えてみたいと思います。
今回は、電車内での優先席にまつわる出来事をご紹介します。
皆さんは電車に乗る際、携帯電話の使用に関する車内アナウンスを毎回耳にしていると思います。「優先席付近では電源をお切りになり、その他の場所ではマナーモードに設定のうえ、通話はご遠慮ください。」というものです。
しかし、現実は、優先席付近といえども殆どの人が携帯電話を操作していますし、そういう光景をよく目にします。
私の場合も、他に漏れず、優先席が空いていたら座ることがたまにあるのですが、その時は、(今にして思えば、迂闊にも)携帯電話を取り出した途端に、隣に座っていた方がいきなり席を立ったので、なぜだろう?と思いその方を見たら、胸の所に赤いハートマークの表示がありました。私は、直ぐにその男性に「申し訳ありません!」とお詫びをしたのですが、その方は「いいんですよ。」と席に戻ることはありませんでした。
その方はペースメーカーを使用されていた方だと思いますが、本当に申し訳ないことをしたと罪の意識に苛まれました。
この車内アナウンスに限ったことではありませんが、なぜ優先席付近では携帯電話の電源を切る必要があるのかということを改めて痛感させられた出来事であったと同時に、まさに日常生活において危機管理の視点を持つことの重要性を問われた瞬間であったと思います。
必要としている人のために優先席があり、そこでのルールを守ることは、最低限のマナーなのだということを痛感しました。
当然のことと言えばそれまでですが、人は当然のようにできる事・すべき事、あるいはちょっと気を付ければいい事などを案外やらない・やっていないという事が多々あるのではないでしょうか。皆さんも、是非注意して頂けたらと思います。
次回も、別のケースを取り上げ、本テーマについて更に具体的に考えていきたいと思います。