危機管理業務部 主任研究員
 福島 聡明

※「避難所の開設・運営等に係る重要事項について考える(その4)」のつづき。
 「その4」は、2013年7月8日付の記事を参照ください。



 今回は、「避難所におけるルール」についてです。

 避難所生活が始まると、避難者から「水や食べ物がほしい」、「毛布や敷物がほしい」、「周りの人の話し声が大きい」、「トイレが汚れている」、「ペットは外に出してほしい」、「赤ちゃんの泣き声がうるさい」、「食べ物や衣類の配分が不公平だ」、「電話を設置してほしい」、「着替えをする場所がほしい」、「いろいろな情報がほしい」など、さまざまな要求や苦情が出てきます。
 避難所では、大勢の方が限定された空間での共同生活を強いられることになり、トラブル等の発生も予想されることから、最低限守るべき避難所の生活のルールを確立しておくことが重要です。
 また、生活のルールは、公開の場で「自らで決めた」という手続きが必要になるととに、当該避難所の避難者全員に周知・徹底しておく必要があります。
 避難所の生活のルールとして決めておくべき事項(例)は、下図のとおりです。
避難所の生活のルールとして決めておくべき事項(例)
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 なお、避難所の生活のルールは、自治(町)会等の自主防災組織を中心になり、施設管理者や自治体と検討・調整し、学校等、避難所となる施設の特性等も踏まえてあらかじめ作成しておき、学校の備蓄倉庫等に保管する備蓄品と一緒にしておくことが望ましいでしょう。
 そして、実際に避難所が開設された際には、これらのルールを避難者全員に周知・徹底するため、避難所の入り口近くなど、避難者の目につきやすい場所に確実に掲示しましょう。

 次回は、「避難所運営組織と機能及び自分が果たすべき役割」について考えていきます。