危機管理業務部 副部長
大地 教文
従来の「注意報」・「警報」・「記録的短時間大雨情報」に加え、新たに「特別警報」が設けられました。
平成25年3月8日に気象業務法等の法律案が閣議決定され、5月上旬に法律公布、7月上旬に特別警報発表基準公表、8月30日から法律が施行されているのはご承知のことと思います。
今年は、異常気象による災害が多発した夏となりました。
7月28日から8月1日の大雨により、山口県萩市や島根県津和野市などで水害が発生し、8月23日から26日にかけての大雨では、島根県などで災害が発生しています。
また、9月16日には、台風18号による大雨で、福井県、滋賀県、京都府など広い地域において大きな被害が発生、9月15日から16日にかけては、和歌山県串本町、三重県志摩市、栃木県那須町、埼玉県滑川町・熊谷市・行田市、群馬県太田市・みどり市・桐生市、北海道厚岸町など広い範囲で竜巻や突風、ダウンバーストにより被害が発生しました。
特に、10月16日水曜日、台風26号の接近に伴い、伊豆大島(東京都大島町)では、24時間雨量が824ミリという記録的な大雨により大きな土砂災害が発生し、10月20日(日)現在、人的被害は、死者27名、行方不明者22名となっております。亡くなられた方のご冥福、一時も早い行方不明者の発見救出と、被災された皆様の復興を願うところです。
ところで、今回の伊豆大島(東京都大島町)での大きな災害はなぜ起きたのでしょうか。
台風の接近前には、気象庁は「この10年程度で最も勢力が強い」と警戒を呼び掛け、夕方には土砂災害警戒情報も出されています。今後検証されることと思いますが、各自治体等においても、風水害への対応について見直しが必要になることと思います。
風水害といえば、これまでは、あらかじめ予報や警報等が発表され、状況の進展に応じて逐次対応体制を強化できる準備のための時間的な余裕があるという印象が強かったのですが、昨今の風水害は、大雨にしても突風等にしても、突発的に発生する傾向が強くなっています。
風水害への対応は、「早めの対応、早めの行動」が大切であることは変わりません。行政はもちろんのこと、地域や個人においても、予報や警報等に耳を傾け、早めに行動し、何事もなければみんなが「やれやれ災害が起きなくてよかった」と思って普段の生活に戻れるような雰囲気が当たり前になってくれたらと思っています。