危機管理業務部 主任研究員
福島 聡明
※「避難所の開設・運営等に係る重要事項について考える(その5)」のつづき。
「その5」は、2013年10月28日付の記事を参照ください。
今回は、「避難所運営組織と機能及び自分が果たすべき役割」についてです。
1 避難所の開設・運営に係る業務と実施主体
避難所の開設・運営にあたっては、「避難所の鍵を開ける」、「避難所の安全を点検する」、「避難者の部屋割りなど配置を決める」、「備品や備蓄品を確認、設置する」、「避難者を収容する」、「受付や避難者名簿を作成する」、「自治体の災害対策本部への報告、情報伝達を実施する」、「生活のルールを周知・徹底する」、「炊き出し、物資の配分、トイレ清掃等を実施する」、「報道関係者の取材に対応する」など、様々な業務が必要になります。
このため、自治(町)会等の自主防災組織を中心とした「避難所運営組織」を作ることが必要です。
この組織はあくまでも避難者が主体となって組織することが前提となりますが、自治体職員や施設管理者、あるいはボランティア等にも運営組織の一員となってもらい、協力して運営していくことが大切です。
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2 避難所運営組織の一例
避難所運営組織の一例は、下図のとおりです。
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ここでは、平成21年10月に千葉県が作成した「災害時における避難所運営の手引き」を参考とした避難所運営組織の例を記載していますが、自治体が作成する避難所運営マニュアル等では、名称や班区分等は異なりますが、概ね上図のような組織を編成して避難所の開設・運営にあたることが示されております。
3 自分が果たすべき役割
前述のとおり、避難所の開設・運営に係る様々な業務は、避難所運営組織が中心となって行うこととなりますが、あくまでも「避難所は避難者による自主運営が基本」とされていることからも明らかなように、全てを避難所運営組織にお任せというわけにはいきませんし、避難所運営組織がその業務全てをカバーできるわけではないことから、自分(避難者個人)が果たすべき役割を考え、努めて積極的に避難所運営組織が行う業務に参加する・手助けするといった姿勢がとても大切です。
具体的には、「掃除、ごみ出し」、「炊事、配食」、「救援物資の仕分け、配分」、「子どもの遊び相手」、「勉強を教える(教育の支援)」、「高齢者の話し相手」、「体の不自由な人の介護」など、自分が持つ知識や技能、資格、特性等を如何なく発揮し、最適な業務を支援するとともに、避難所の開設・運営に効果的に寄与するよう心掛けましょう。皆さん一人一人が動かなければ(あるいは動くということを知らなければ)、避難所の開設・運営はうまくいかないのです。
次回は、本テーマの最終回として、「避難所の開設・運営等に係る重要事項についてのまとめ」を記載します。