代表取締役社長
山本 忠雄
※「防災は分かり易く−その1(用語)」のつづき。
「その1」は、2014年6月23日付の記事を参照ください。
前回は「防災用語は分かり易く」というテーマで日頃思っていたことを書きましたが、今回は、皆さんも良く目にする防災に関する「表示」についてです。
皆さんも災害が発生した時や防災訓練などの時によく目にすると思いますが、下の4枚の写真を見て分かり易いと感じるのはどれですか?
これについては一目瞭然、説明は必要ないかと思いますが、いずれにも防災服を着た方などが写っていますが、日本語の表記のほうが分かり易いですよね。
1枚目の写真は、静岡県の総合防災訓練の様子を写したもので、青い防災服、白いヘルメット姿で、こちらに背を向けているのは県の防災局(当時、現危機管理部)の職員です。この防災服は背中に、静岡県を象徴する「富士山」のシンボルマークを背負っています。静岡県防災局に勤務し、毎日のように防災服を着ていた私としては大変気に入ったマークだったのですが、これが誰にでも「静岡県の防災服」として分かり易いかというと自信はありません。
当時、臨時ヘリポート適地調査のため、伊豆半島のある病院の駐車場に立ち入った時には、副院長さんが飛んで来られて、「貴方達は誰ですか?」と咎められたことがあります。これがシンボルマークの下に「静岡県」と大きく書かれていれば、すぐに県の職員だと分かってもらえたのではないかと思います。
ちなみに、陸上自衛隊では、部隊ごとに識別帽というものがあり、カッコ良さと米軍との交流の容易性を追求して英語表記が主流になっていますが、一般の日本人からするとなかなか分かりづらいと思います。
防災はカッコ良さではなくて、誰にでも分かり易い、判別しやすいことが重要で、国際性を求め、大規模災害の際に外国からの応援部隊にも分かり易いようにということであれば、日本語と英語の両方の表記にするという着意があるべきだと考えます(余談ですが、最近、弊社も防災服を新調したのですが、社のロゴマークと日本語と英語の両方で社名を表記したものにしました)。
以上、表示は「パッと見て分かるように」ということで、前回の「用語」とともに「防災は分かり易くする」ことが必要だと考えています。