危機管理業務部

 早いもので、平成26年(2014年)も年の瀬が押し迫って参りました。
 本年も、2月の雪害(豪雪)に始まり、台風や豪雨による洪水や土砂災害、竜巻、そして、御嶽山の噴火、さらには11月22日夜に発生した長野県北部で最大震度6弱を観測した地震など、各地でいろいろな大きな災害に見舞われました。
 特に、防災・危機管理の担当者の皆様におかれましては、直接災害対応にあたられた方(現在もあたっている方もおられると思いますが)、各地での災害を教訓として防災・危機管理体制の見直しに係わっておられる方など、いずれも大変なご苦労を続けてこられた(おられる)ことと思います。

 さて、これに関し、先にご案内させていただきましたとおり、本年、弊社では「大規模災害を迎え撃つために〜自治体における防災体制整備のノウハウ〜」という書籍を出版いたしました。
 防災体制の整備に関する書籍を出版することになったそもそものきっかけは東日本大震災にありますが、それに加えて、その後の自治体等の災害対策本部運営の図上訓練の支援、職員や防災リーダーの研修などを通じ、自治体の防災体制整備を格段に進めるためには、その具体的な方策を提示してあげなくてはならないと痛感したからです。そこで、本書では、自治体における防災体制の整備について重要と思われる7つの視点を挙げ、執筆されております。
 大規模な災害が発生する度に自治体の災害対応が不適切であったことや、過去の教訓を踏まえた防災体制の整備が着実になされていなかったことなどが指摘されています。また、近い将来発生が予想される南海トラフ巨大地震や首都直下地震などの大規模な災害への備えとして、防潮堤などの整備だけでなく、災害対策本部施設・機材等のハードの整備、災害対策本部活動能力の向上などのソフトの整備ももっと進めなくてはならないと思います。
 しかしながら、自治体の多くは、地域防災計画を策定して終わりという傾向があり、地域防災計画に基づく防災体制整備の総合的、具体的計画がない、本部運営の効果的訓練がなされていない、防災体制の整備は、防災・危機管理部局が専任するものであるとの意識が支配的など、いろいろな課題を抱えています。
 もちろんこれらの課題については防災・危機管理の担当者の皆様も十分認識し、日々改善に取り組んでおられることと思いますが、本書は、できるだけ多くの職員、特に幹部職員の方々に、それらの課題に対する解決策と心構えを提示することを意図したものです。
 本書の内容は、防災・危機管理の担当者の皆様にとっては「釈迦に説法」だと思いますが、特に他の職員の方の啓発には最適と思っておりますので、是非ともお手に取っていただければ幸いです。

 また、最近の弊社の訓練・研修支援等ですが、11月初旬には政府の地震・津波防災訓練の支援を和歌山県広川町、高知県大月町、山口県周防大島町、宮崎県日南市の4箇所で行い、10月末から12月中旬までは全国4箇所で防災・危機管理教育を実施しております。また、これに併行して、高知県、東京都昭島市、神奈川県茅ヶ崎市、警視庁などの本部運営訓練や神奈川県の市町村職員研修など、さらには、内閣府防災担当の主催による民間フェリーを使用しての医療救護活動の実証訓練、地域レベルの避難所運営訓練など、総動員、フル回転の状況です。
 御陰様で、来年も早々から、国、地方自治体及び地域レベルの訓練・研修支援等が目白押しの状況ですが、「創造とたえざる挑戦」を合言葉に、これら訓練・研修等支援を通じて、真に役立ち、信頼される防災・危機管理コンサルティング企業を目指すとともに、防災の目的達成に寄与して参る所存です。

 末尾になりますが、今回が本年最後の更新となります。本年も「危機管理Blog」をご愛読いただきまして、誠にありがとうございました。
 来年は1月5日(月)から再開となりますが、本年以上に、防災・危機管理に係る有益な情報等を皆様に提供できるよう社員一同努めて参りますので、来年も変わらぬお引立てのほど何卒宜しくお願い申し上げます。
 皆様にはくれぐれもご自愛のうえ、良い新年を迎えられますことを心よりお祈りしております。
謹賀新年2