危機管理業務部 主任研究員
 山之内 裕

※「国民保護事態における病院の避難(その2)」のつづき。
 「その2」は、2014年10月27日付の記事を参照ください。



【 機‖寮の確立 】のつづき
 今回は、避難全体を統制し推進する「対策本部」について考えます。

1 対策本部の設置
(1)対策本部設置の基準
 災害が発生した場合、以下のように、自治体は災害の種別に対応した「対策本部等」を設置します。

ア 災害対策本部
 災害対策基本法第23条に基づき、自治体の地域防災計画の定めるところにより設置します。

イ 地震災害警戒本部
 大規模地震対策特別措置法第16条に基づき、内閣総理大臣が閣議にかけて地震災害に関する警戒宣言を発した場合に、予め指定された強化地域に係る自治体の長が設置します。

ウ 石油コンビナート等防災本部
 石油コンビナート等災害防止法第27条に基づき、石油コンビナート等特別防災区域が所在する都道府県に常設されています。

エ 原子力災害における災害対策本部
 原子力災害対策特別措置法第22条に基づき、原子力緊急事態宣言に係る緊急事態応急対策実施区域を管轄する自治体の長が、災害対策基本法第23条に規定する災害対策本部を設置します。

オ 国民保護対策本部(緊急対処事態対策本部)
 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(以下、「国民保護法」と言います。)第25条に基づき、内閣総理大臣が閣議の決定を受け、対策本部の設置を指定した自治体の長が設置します。

 このように、自治体は法的に対策本部等を設置する基準が明らかですが、病院に対策本部を設置することは、法的な義務はありません。しかし、前回も述べたように「出たとこ勝負」的な避難を避け、入院患者等を安全確実に避難させるためには、避難に係る諸業務を一元的に遂行していく「対策本部」の設置が必要です。
 本ブログにおいては、タイトルどおり、緊急対処事案が発生した場合における病院の入院患者等の避難を考えます。
 病院の入院患者等が避難を必要とする状況は、上記イ里茲Δ法病院が所在する自治体が国から対策本部設置の指定を受け、病院が「要避難地域(注)」内に所在する場合と、国や自治体が事案の発生を覚知(認知)していない場合であっても病院長またはその代行者が切迫する危険を察知し避難が必要と認めた場合があります。
(注:国民保護法第52条により、国が示す「住民の避難が必要な地域」をいう。)
 この他、国民保護事態以外では、大規模災害等により病院の建物や施設の倒壊及び破損またはその恐れがあり、入院患者等の診療が困難となること、が予測される場合も避難が必要となります。
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< 国民保護訓練時の某大学附属病院の災対本部(訓練のため職員数は少ない。) >

 整理すると、病院が対策本部を設置する基準は以下の2点となります。
”賊,僚蟶瀉呂要避難地域に指定された場合
病院長またはその代行者が避難を必要と認めた場合


【閑話休題】
 お約束通りの「スカイツリー」のデジカメ画像です。今回も夜の画像です。日によって色が違うのですね。
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