代表取締役社長
山本 忠雄

 弊社は、30年前の昭和61年4月11日、「河川流域情報サービス株式会社」として、東京、名古屋、大阪、福岡の4つの運用課をもって設立され、平成元年には札幌、仙台、新潟、高松、広島の5つの運用課を加えて9運用課体制となりました。その後、阪神・淡路大震災を契機に、平成8年には現在の危機管理業務部の前身である訓練事業部を立ち上げて防災訓練の支援を開始し、そして、平成12年には防災の問題解決を総合的に支援することを目指し、社名を「株式会社 総合防災ソリューション」に変更して現在に至っております。

 この間、河川情報や水文観測のデータ及び土砂災害情報の監視等の業務を的確に遂行しつつ、政府や九都県市をはじめとする自治体の自然災害、国民保護、原子力などに関する訓練・研修や計画・マニュアルの作成など、延べ約500件に及ぶ支援を重ね、正に、経営理念である「防災体制の整備を総合的に支援して地域社会に貢献する」ということを実践してきました。
 我が社が30周年という記念すべき日を迎えられたのは、河川情報センターをはじめ、政府や自治体等の防災関係の皆様のご支援の賜物であり、茲に衷心より感謝を申し上げる次第であります。

 平成23年3月11日に発生した未曾有の大災害―東日本大震災の教訓を受け、政府や自治体、防災関係機関・事業者等は、鋭意南海トラフ巨大地震をはじめとする大規模地震への体制整備に取り組んできたように見えます。
 しかしながら、昨年9月の関東・東北豪雨や今般発生した熊本地震では、またもや「まさかここで」「想定外」という言葉が紙面に踊り、特に熊本地震では、家屋等の耐震化や行政の業務継続体制のほか、避難所の開設・運営、救援物資の配分、被害調査等の避難者支援対策など、台風常襲地域における大地震への備えが不十分であったことが明らかになりました。
 残念ながら我が国においては、政府や自治体の防災体制、とりわけ災害対策本部の開設・運営の体制や住民等の自助・共助による地域防災力は多くの課題を抱えており、災害発生時において災害対策本部の運営が円滑かつ有機的に行われるとともに、地域住民が一丸となって助け合い、自ら避難所の開設・運営を担うようにするための、実用的計画・マニュアルの作成を進めることや、より実践的な訓練を実施することが喫緊・不可欠な状況にあります。
 また、近年の記録的、ゲリラ的豪雨災害の発生状況に鑑みれば、これに的確に対応するための河川情報や水文観測のデータ及び土砂災害情報の監視等の業務も適切に進める必要があります。

 これを最も効果的に支援できるのは、多数の自衛隊出身者、県や市の防災部局勤務経験者、そして、数多くの防災訓練等の経験を積んだ社員を擁する弊社であると自負しております。
 創立30周年に当たり、今後も内閣府防災、内閣官房、自治体、関係機関、さらには自主防災組織や企業等の防災体制整備への貢献度、信頼度において「No.1」をめざし、「総合防災ソリューションに頼んで良かった」「またお願いをしたい」と言われるような仕事を重ね、防災の目的達成に寄与して参りたいとの決意を新たにしているところであります。

 今後とも変わらぬご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

30周年記念