株式会社総合防災ソリューション 代表取締役社長
 山本 忠雄

 平成30年(2018年)も年の瀬となりましたが、年末恒例の今年の漢字は「」が選ばれました。
 今年は、6月18日には最大震度6弱の「大阪府北部地震」、7月6日〜8日にかけては西日本の1府10県に大雨特別警報が発表されるほどの記録的な豪雨よる河川の氾濫、土砂崩れなどの大規模な災害が、そしてまた、9月6日には最大震度7の北海道胆振東部地震が発生するなど、各地で280名近い死者と多くの家屋等の被害が出てしまいました。そのように災害の多い年でしたから、「災」が選ばれたことに(甚だ不本意ながら)納得せざるを得ない気がします。
 これらの災害で被災された皆様や災害対応にあたられた自治体や関係機関等の方々に対し、心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。

 災害が起こる度にそうなのですが、今年の災害にも共通しているのは、「まさかここで災害が」と、住民、自治体ともに油断があり、その結果として“自らの命は自分で守る”“地域は皆で守る”という強い決意と、“こうすれば住民の命を守り、犠牲を最小限に抑えることが出来る”という確信を持った防災対策がとられてこなかったことを物語っているように思います。各地の自治体や地域の防災体制の整備、防災力強化を支援する業に就いている者としては、被害発生のニュースを聞くたびに切ない気持ちになります。
 そんな中にあって、本年も国・地方自治体を中心に、全国各地で訓練・研修等や避難所開設・運営訓練、講演・講義など数多く支援させていただきました。また、11月には、自治体職員のみならず、防災関係機関や団体、事業所など防災関係者の防災体制整備の手引きとなることを願い、「自治体における防災体制整備のノウハウ」を上梓しました。災害大国の日本においては、「防災最優先で急速な体制整備」が必要であるとの考えを基本に、課題と改善策を具体的に記述しました。ぜひご一読ください。
 お陰様で、来年も早々から、国、地方自治体及び地域レベルの、大規模な訓練から地域等に特化した研修(講演)等が目白押しの状況ですが、「創造とたえざる挑戦」を合言葉に、これら訓練・研修等支援を通じて、真に役立ち、信頼される防災・危機管理コンサルティング企業を目指すとともに、防災の目的達成に少しでも寄与できるよう、日々精進して参る所存です。

 末尾になりますが、本年も「危機管理Blog」をご愛読いただきまして、誠にありがとうございました。
 来年は本年以上に、防災・危機管理に係る有益な情報等を皆様に提供できるよう社員一同努めて参りますので、来年も変わらぬお引立てのほど何卒宜しくお願い申し上げます。
 皆様にはくれぐれもご自愛のうえ、ご家族ともども良い新年を迎えられますことを心より祈念しております。
富士山(日の出)