危機管理業務部 主任研究員
安藤 正一
平成30年も自然災害が多発しました。大きな災害を振り返ってみますと、6月に大阪府北部地震、7月には平成30年7月豪雨、9月には北海道胆振東部地震が発生しております。そして、今現在も、避難所生活を余儀なくされている方々がおられます。
あの東日本大震災の際にも、発生した地震の規模や津波の高さについて、「想定外」と言う人がいました。しかし、「東電は2008年に、869年の貞観地震や国の地震調査研究推進本部の見解などをもとに、巨大地震時の津波の規模を試算して、福島第1原発の5〜6号機に来る津波が10.2m、防波堤南側からの遡上高は15.7mという結果をまとめていた。」と日本経済新聞が、大災害発生から約半年後の2011年8月24日に報道しております(実際に大震災による福島第1原発付近の津波の遡上高は14〜5mと言われています)。
その他にも台風21号が、四国から近畿を通過して、大きな被害をもたらし、特に、関西空港では台風の影響で高潮が発生した影響で一時使用不能となりましたが、この時も、関西空港の一部の関係者が「想定外」と言っておりましたが、過去の大災害を振り返ると発生確率は別として、発生前に、ほとんどの場合は識者から警鐘を鳴らされていたようです。
客観的に考えれば、世界全体で過去に発生したマグニチュード6以上の地震のうち、日本及び日本周辺で約20%発生していますので、我が国は世界有数の地震大国なのです。
また、近年は、地球の温暖化の影響などにより、日本各地で1時間雨量80ミリを超える「猛烈な雨」が毎年のように数多く発生しており(気象学の守田福岡大学客員教授によれば、1時間雨量80ミリを超える年平均降水回数は、1976年〜86年の間には9.9回だったのが1998年〜2008年の間には18.4回とほぼ倍増)、その結果、土砂崩れや洪水が多発しております。
このブログを閲覧している皆さん、冷静に今一度自分のこととして考えて下さい。
ご自分が住まわれている地域が、どのような自然災害に見舞われる可能性があるのかについて、お住いの地方自治体のハザードマップなどで再確認して、自分や家族の命を守るための備えを確実に行っておいて頂きたいのです。
極めて簡単な防災への備えの一つが、「災害アプリ」のスマホへのダウンロードです。
このブログを見られている多くの方がスマホを利用されていると思いますが「goo防災アプリ」など無料でダウンロード出来るアプリがあります。もし、まだダウンロードされていない方は、ダウンロードして試してみて下さい。万が一の大災害時に、自分や家族の命を守り、大切な家族と連絡し、そして近くの避難所を確認することが出来る極めて重要な命を守るツールとなりますよ。