危機管理業務部 研究員
在原 真次
いざ大災害が起こった場合、色々な場面や状況に対して、皆さんはどのように行動しますか。
防災を専門とする方や、日ごろから防災に関心のある方はそれなりに心構えや防災用品の準備をしていると思いますが、大多数の方々は日ごろからの準備についてほとんどわからないのが現状だと思います。
前回は、防災センターを紹介しましたが、今回は自分あるいは家族を災害から守るための準備の参考として、「防災ハンドブック」の紹介をしたいと思います。
「防災ハンドブック」とは、自治体や関係機関等が発行している冊子で、災害について日ごろから物心両面で準備しておくことや、被災者となった場合にどのようにして暮らしていくかなどが書かれています。東京都では「東京防災」「東京くらし防災」などを発行しています。名称はそれぞれの自治体等で若干違いますので、便宜的にこのブログ内では「ハンドブック」の名称で話を進めます。内容としては大きく3つの項目で書かれていることが多いです。
項目1:災害等が発生する前の備え
皆さんご承知のとおり、災害等が発生してから、必要なものを購入或いは準備することは大変困難です。甚大な被害であればあるほど、手に入りにくい状態となります。したがって、災害等が発生する前にあらかじめ備蓄しておくことが重要です。そのほかにも家具などの転倒防止のための処置、避難所への経路の確認など、普段から備えておくことについて書かれています。
項目2:災害が発生したときの行動
いざ、災害等が発生したとき、どのような行動をすればよいかが書かれています。
地震の場合は「シェイクアウト(自分を守る行動)」即ち「Drop(まず低く)」「Cover(頭を守り)」「Hold On(動かない)」ことを実施することが書かれています。
水害、土砂災害の場合は、気象情報・避難情報の収集の要領、避難行動開始を決断するための状況確認について書かれています。
その他にも、「火を消す」「家の外へ脱出する経路を確保する」「防災備蓄品を持ち出す」などの記述があります。
項目3:被災後の生活
避難所での生活や、被災した自宅での生活について書かれています。
避難所では周辺の多くの住民と一緒の生活をすることになるので、そのために必要な事項について書かれています。被災した自宅に住む場合における、安全な生活のための工夫などがあります。

その他にも、実際に災害の被害を受けた人の体験談や、防災グッズの紹介、最近では個々の家庭の事情や周辺の地形等を考慮して計画する「事前行動計画(タイムライン)」の作成ガイドが記載されているものもあります。
最近のハンドブックはイラストを多用したり、具体的な状況についての対処要領を記載しているので、大変読みやすくなっています。また、防災に関する書籍も多数発行されていて、手ごろな値段で購入することができます。自治体等のハンドブックは、そこに住む住民に無料で配布されていたり、ホームページからダウンロードできるなど、手軽に手に入れることができます。
皆さんも、ぜひ一読してみてはいかがでしょうか。