危機管理業務部長
 澤野 一雄

 令和2年1月頃からコロナ感染症が蔓延・拡大し、その勢いが止まる気配もなく、令和3年になっても、感染者、特に重傷者が増加しています。専門家は、このまま放置すれば、感染爆発の恐れがあり、医療崩壊の危機であると指摘しています。また、1月2日、1都3県の知事は、西村経済再生大臣に対して、「緊急事態宣言発令」の要請を行いました。
 政府は、このような状況や専門家会議等の意見を踏まえ、令和3年新春早々の1月7日に「1都3県に緊急事態宣言」を発令しました。令和2年4月7日に発令され、5月25日に解除された緊急事態宣言に次ぐ、2回目の発令となります。今回の緊急事態宣言は、春とは異なり、「限定的」「集中的」に行われており、夜間の飲食や外出制限、テレワークの促進等、要請内容が限定されています。

 菅内閣において、デジタル化が強力に進められようとしています。このようなデジタル化の流れや、テレワークやオンライン学習の推奨により、社会が大きく変容しようとしています。
 社会が変容するなかで、「デジタル化」は当然の流れであり、テレワークやオンライン学習が浸透することは時代の流れだと思います。インターネット環境さえあれば、何時でも、何処でも、仕事や会議ができるテレワークは素晴らしいと感じます。また、オンライン学習は、全国どこにいても、質の高い教育の機会を得られ、勉学の機会に制約を受ける意欲ある地方の学生達には夢のようなことだと思います。その他、オンライン飲み会も結構人気があるようです。
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 一方、テレワークやオンライン学習の利点ばかりを追求することに一抹の不安も感じます。人間は、さまざまな場所で交流することで、社会を営んできました。テレワークやオンライン学習の普及により、人としての交流が少なくなり、共同体が崩壊すること、人が孤立すること、人としての情が希薄になることなどが心配されます。ペットと直接触れ合うことや世話をすることにより、気持ちが落ち着くことや子供の豊かな感性が醸成されている面もあると思います。ペットと人間を同一化することは適切でないかもしれませんが、人間同士の触れ合いの大切さは、時代が変容しても変わらないと思います。
 コンピューター、スマホ、カーナビなどのデジタル機材は、メール・ライン等による連絡、地図の検索、電子辞書やニュースの閲覧等に活用されており、大変便利なツールであり、無くすことはできないものです。反面、時々、書籍を読むこと、分厚い辞書を紐解くこと、紙地図を見ること、手書きの手紙を書くことなどアナログ的なことを振り返ることも大切ではないかとも感じます。
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 不用不急の外出自粛、夜の飲食禁止などのコロナ禍においても、人とのつながりをこれまで以上に大切にしたいと考えていますし、早くコロナ騒動が落ち着いて、普通の生活、宴会、交流等ができることを願っております。

 最後になりましたが、黙々とコロナ患者の治療に携われている現場の医療関係者に感謝申し上げます。