危機管理業務部 危機管理二課長
 松田 拓也


 原子力防災というと東日本大震災やチェルノブイリが連想され、個人の努力では対処のしようがないようなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。しかし、原子力防災の基本的考え方を押さえておけば、個人でも対策を考えることができます。
 個人で出来る原子力防災を考えたとき、押さえておくポイントは「被ばくを少なく」するということです。
 被ばくとは、体に放射線を受けることをいいます。さらに被ばくは大きくヽ杏被ばくと内部被ばく2種類に分けられます。
 このヽ杏被ばくと内部被ばくをどのように減らすかが原子力防災の基本的な考え方です。
松田_No.14

ヽ杏被ばくを少なく
 外部被ばくは文字通り、体の外から放射線を浴びることです。
 地面や屋根に積もった放射性物質、あるいは空中にある放射性物質から出る放射線から身を守る方法を考えなくてはなりません。
 外部被ばくを少なくするためには、まず遮蔽することです。コンクリートでできた建物の中に入ることで地面からの放射線は80%少なくすることが出来ます。木造家屋でも60%少なくすることができます。
 次に距離をとることです。同じ室内でも家屋の中央にいた方がより被ばくを減らすことができます。
 最後に被ばくする時間を減らすことです。家屋に比べて遮蔽効果の少ない車や徒歩での移動はできるだけ少なくすることが重要です。
 この距離、時間、遮蔽を外部被ばく防護の3原則といいます。

内部被ばくを少なく
 内部被ばくは、体の中に放射性物質を取り込むことで体の中から被ばくすることを言います。
 内部被ばくを少なくするためには、まず呼吸の管理です。肺に入る放射性物質を減らすため、マスクやハンカチで鼻や口を覆います。3つ折りのハンカチで80%以上吸入を防ぐことができます。
 次に指定された飲食物を食べないことです。原子力災害時には国や自治体が飲食物の検査を行い、基準値以上の放射性物質が確認された場合は、食べないように指示します。
 最後に、傷口からの侵入を防ぐことです。傷口に放射性物質が入り込まないよう傷口に絆創膏を貼る。そもそも傷が出来ないよう注意することも大事です。

 このようにヽ杏被ばく、内部被ばくをできるだけ少なくすることが原子力防災の基本的な考え方となっています。大規模な避難や屋内退避もこの基本的な考え方に基づいて行われます。
 自治体から配られるパンフレットなどを参考に家庭でできる原子力防災を考えてみてはいかがでしょうか。