危機管理業務部 研究員
在原 真次
防災訓練の記録映像を成功させる!「計画編」:効果的な映像制作の第一歩
弊社が防災訓練の支援を行う際、非常に重要な役割の一つとして「訓練記録」があります。
最近では、訓練の様子をインターネットで公開したり、次回の改善に向けた振り返り資料として活用したりするために、特に映像での記録需要が高まっています。
せっかくの訓練を「ただ撮るだけ」で終わらせず、価値ある資料にするためには、事前の準備が欠かせません。今回は「津波避難実動訓練」を例に、確実な映像記録を作るための「計画編」を解説します。
なお、本記事はシリーズものとして、今後「撮影編」「編集編」と順次公開していく予定です。
1 訓練の目的に合わせた「映像編集計画」の立案
まず大切なのは、「訓練の目的に沿った撮影・編集」を意識することです。
例えば、主目的が「津波避難」であるにもかかわらず、付随する「避難所開設」のシーンばかりが長いと、趣旨がぼやけた映像になってしまいます。
全体の流れを把握した上で、まずは「映像編集計画」を作成しましょう。最初に全体の尺(時間)を決め、各シーンに時間を割り振っていくのがコツです。
構成案の具体例(全体6分の場合)
メインとなる「津波避難訓練」に全体の半分以上の時間を割き、以下のような時間配分を検討します。
・� .�ープニング(タイトル):10秒
・�◆〃盈�の概要:30秒
・�� シェイクアウト訓練:30秒
・�ぁ…吐犯鯑餬盈�(メイン):3分30秒
・�ァ‐霾鹽礎7盈�:20秒
・�Α)漂匚岷蕁�30秒
・�А〇堋弘Щ◆�30秒
映像編集計画の一例

※計画表には、所要時間に合わせた「ナレーション内容」や、使用する「映像ファイル名・秒数」を記入しておくと、後の編集作業がスムーズになります。
2 現場での動きを具体化する「映像撮影計画」
次に、場所やシーンごとの詳細を決める「映像撮影計画」を作成します。
これは通常、撮影現場ごとに作成し、主に以下の5項目を盛り込みます。
(1) 該当する編集項目:時系列順に整理
(2) 撮影時間:〇〇時〇〇分〜
(3) 細部撮影場所:△△小学校校庭、××公民館など
(4) 撮影対象:訓練参加者、必要に応じて風景や建物
(5) 撮影シーン:具体的な行動や必要なカットを列記
映像撮影計画の一例

具体的な撮影シーンのイメージ
例えば「〇×小学校」の現場では、以下のようなシーンを狙います。
・津波避難:警報発令を受け、避難場所へ向かう・到着する参加者の様子
・情報伝達:避難者の把握と、市役所等への報告シーン
・防災講話・挨拶:専門家の話や、市長による住民へのメッセージ
3 成功の秘訣は「撮れ高」の意識
計画を立てる際、常に意識していただきたいのが「撮れ高」です。
これは、各場面で必要なシーンと時間が十分に確保できているかを指します。
編集時に「素材が足りない!」という事態を防ぐため、以下のポイントを意識しましょう。
・一つのシーンでも、撮影方向(アングル)を変えて複数回撮影する
・NGが出た時のための予備カットを撮っておく
・割り当て時間の3倍程度を目安に撮影しておくと、編集がしやすくなります
※さらに詳しく調べたい方は、「香盤表(こうばんひょう)」という言葉で検索すると、多くの事例が見つかります。
次回予告:いよいよ実践!「撮影編」
今回は、映像制作の土台となる「計画」について解説しました。この計画図があるだけで、撮影当日の迷いがなくなり、クオリティは格段に上がります。
次回は、これらの計画を形にするための具体的なテクニックを紹介する撮影編」お送りします。